あめのて

活字を垂れ流す

お題スロットを使って三題噺を書いてみたかった

スポンサーリンク

はてなブログには「お題スロット」という機能がある。
ランダムにお題を決めて記事が書けるというものなのだが、以前からこれを使って三題噺とかもできるんじゃないかと思っていた。
というかずっとやってみたかった。

ので、やってみる。

早速、やり直し無しで三回回して書いてみよう。

お題スロットを使ってランダムに選んだ三題噺のお題

お題「お気に入りの文房具」
お題「カメラ」
お題「好きな乗り物」

その風景

車窓の外をぼんやりと眺めながら、私はいったい何をやっているんだろうと、物思いにふけっていた。

私の動体視力では到底捉えきれない速度で流れる風景は、深く考えこもうとする私の頭を空っぽにする。

私は私が捉えきれない程のスピードで、一体どこに行こうとしているのだろう。目的地もなければ、目的そのものもあやふやだ。

自分探しの旅、なんて聞こえのいい言い訳はしているけれど、実際どこに言っても自分なんてものは見つかりはしないのだろう。別に逃げ出したかったとかそういうわけでもない。理由を問われれば、なんとなくだとしか答えられない。ただただなんとなく、深く考えもせず行動していたら、いつの間にか自分の知らないどこかに自分を探しに来ていたというわけだ。

全くもってばかばかしい。

なんてことを考えていたら、車内アナウンスから次の駅名を告げられた。ずいぶんと遠くの駅まで来たものだ。この乗り物の移動速度を、やはり私は捉えきれていない。乗りなれない乗り物にのると、まるで自分が瞬間移動でもしてきたかのような錯覚に陥る。まあ、実際は正しい距離を正確に移動した結果、この場所にいるのだろうけれど。

思えば、自分の体で操作をする必要のない乗り物に乗ったのはいつぶりだろうか。最近じゃどこへ移動するのも自分の運転する車だった。

学生の頃は、自転車だけでとても遠くまで遠出していたっけ。

そういえば私は、自転車が好きだった。

自分の運動エネルギーを何倍にもして、移動という結果を提供してくれる画期的な道具であり、その上で労力に比例したスピードを出すことができる。私はあの乗り物が大好きだった。

あの頃の私は、カメラを持って自転車でどこまでも走り、様々な写真を取ることが何よりもの生きがいだった。

山の頂上からの景色を写真に収めるために、自転車で何時間も山を登ったり、はたまた綺麗と有名な近所の野良猫を撮るためだけにまる一日近所を自転車で走り回って探したり。

私にとってはそれが、何よりの目標だったのだ。

あの頃のことが懐かしくなった私は、膝の上に置いた鞄からカメラを取り出した。当時からずっと使っているデジタルカメラだ。ずっと肌身離さず持っている。当時は最新のデジカメだったが、今となっては古い型だ。それでも思い出がたくさん詰まったこのカメラを、私は手放すことができない。

過去に撮った写真を見返そうと、古いデータから順に見ていくと、一つ気になる写真があった。

一本の鉛筆だけが写っている。その写真が、私の記憶を呼び起こす。いつからか忘れていた、記憶の中でほこりをかぶっていた時間だ。

私はこの鉛筆を使って、山の頂上からの景色を絵に書いたのだ。私が収めた景色は写真ではなく、一枚の絵だったのだ。

私の渾身の作品で、最も楽しくかけた、好きな作品。

あの絵は今どこにあるのだろう。きっと自宅のどこかにしまってあるはずだ。この鉛筆と一緒に。

あの頃の気持ちを、いつからか忘れていたのだろう。結局、自分探しの旅なんかに出ても、見つかる自分はそういう場所にあるのだ。

あとがき

僕の中の三題噺の約束として、書き直さないってのがあるんですけど(いいわけ)とりあえずいきあたりばったりで書くと、勝手に伏線とか付くんですよね。

今回の主人公は、きっと画家か何かを目指していて、いつの間にか楽しく書くことを忘れていて、とうとう全力の作品が評価されなかったので諦めて自分探しのたびにでも出たのでしょう。
っていう設定は最後の5行ぐらいで思いついたのでこんな感じになってしまいました。(がち)

まあ、思ったよりも楽しかったのでまたやろうかな。

広告を非表示にする